4月の学習ポイント・ 中学3年生

中学3年生の4月の数学の学習は単元「式の計算」の「多項式の計算」となります。
多項式の計算
①式の乗法・除法
②式の展開
③乗法公式
以上を学習します。
ポイントはいかに乗法公式を早く覚えて使えるようになるかです。
乗法公式を覚えて確実に使えるようにすることは単元「式と計算」ができるかできないかを決定します。
乗法公式は「式の展開」だけではなくあとで学習する「因数分解」にも関係してきます。
数学が苦手な生徒は早めに乗法公式を覚えて使えるようにしておくとこの単元はできます。
覚えておくべき乗法公式は4つあります。
乗法公式
[公式1] \((x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+ab\)
[公式2] \((x+a)^{2}=x^{2}+2ax+a^{2}\)
[公式3] \((x-a)^{2}=x^{2}-2ax+a^{2}\)
[公式4] \((x+a)(x-a)=x^{2}-a^{2}\)
以上の4つの公式を早めに覚えて使えるようにしておく必要があります。
4つの乗法公式がなかなか覚えられないという生徒もいます。
そんな生徒は始めに学習する式の展開で答えを求めようとします。
式の展開で答えを出すことはできます。
しかし答を求めることができるからと式の展開で求める方法を使うと乗法公式を覚えようとしなくなります。
乗法公式を覚えないと「いろいろな計算」「因数分解」がむずかしくなります。
必ず乗法公式を使って式の展開をするという意識を持つ必要があります。
「式の計算」
①式の乗法・除法
1. 多項式と単項式の乗法
単項式×多項式、多項式×単項式の計算では分配法則を用いる。
\(a(b+c)=ab+ac\)
\(-3x(4x-5y)=-12x^{2}+15xy\)
マイナスをかけるので符合が変わることに注意する。
間違いやすい。
\((a+b)c=ac+bc\)
\((3a+b)×2a=6a^{2}+2ab\)
2. 多項式と単項式の除法
多項式÷単項式
\((a+b)÷c=\frac{a}{c}\)+\(\frac{b}{c}\)
\((6a^{2}-4a)÷2a\)
\(=\frac{6aa}{2a}\)-\(\frac{4a}{2a}\)
\(=3a-2\)
\((a+b)÷\frac{d}{c}\)
\(=(a+b)×\frac{c}{d}\)
\(=a×\frac{c}{d}\)\(+b×\frac{c}{d}\)
\(=\frac{ac}{d}\)\(+\frac{bc}{d}\)
\((9x^{2}-6xy)÷\frac{3}{4}x\)
\(=(9x^{2}-6xy)÷\frac{3x}{4}\)
\(=(9x^{2}-6xy)×\frac{4}{3x}\)
\(=9xx×\frac{4}{3x}\)\(-6xy×\frac{4}{3x}\)
\(=\frac{9xx×4}{3x}\)\(-\frac{6xy×4}{3x}\)
\(=12x-8y\)
この計算では
\(÷\frac{3}{4}x\)の\(x\)を
\(÷\frac{3x}{4}\)のように分子に書き換えてから
\(×\frac{4}{3x}\)とすることがポイント
②多項式の展開
\((a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd\)
\((x+3)(y-5)=xy-5x+3y-15\)
③乗法公式
[公式1]
\((x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+ab\)
\((x-2)(x+7)\)
\(=x^{2}+(-2+7)x-2×7\)
\(=x^{2}+5x-14\)
[公式2]
\((x+a)^{2}=x^{2}+2ax+a^{2}\)
\((x+5)^{2}\)
\(=x^{2}+2×5×x+5^{2}\)
\(=x^{2}+10x+25\)
[公式3]
\((x-a)^{2}=x^{2}-2ax+a^{2}\)
\((x-3)^{2}\)
\(=x^{2}-2×3×x+3^{2}\)
\(=x^{2}-6x+9\)
[公式4]
\((x+a)(x-a)=x^{2}-a^{2}\)
\((x+4)(x-4)\)
\(=x^{2}-4^{2}\)
\(=x^{2}-16\)
「いろいろな展開」が乗法公式を使った応用問題となります。
おきかえ問題と2つの式を乗法公式を使って展開しまとめる計算問題となります。
おきかえ問題のマイナスでくくる問題ができるかがポイントとなります。
④いろいろな展開
1. 共通部分を1つの文字におきかえて乗法公式を用いる
(\(3x\)\(+2)(\)\(3x\)\(+4)\)
\(3x=A\)とおくと
\(=(A+2)(A+4)\)
\(=A^{2}+6A+8\)
\(=(3x)^{2}+6×3x+8\)
\(=9x^{2}+18x+8\)
2. 共通の式を1つの文字におきかえて乗法公式を用いる
(\(x+y\)+1)(\(x+y\)\(+3)\)
\(x+y=A\)とおくと
\(=(A+1)(A+3)\)
\(=A^{2}+4A+3\)
\(=(x+y)^{2}+4(x+y)+3\)
\(=x^{2}+2xy+y^{2}+4x+4y+3\)
上記の計算の類題で間違えやすい計算問題として次のような計算問題がある。
\((x-y+7)(x+y-7)\)
この計算問題では共通な式がない。
共通の式とは+-の符号と文字(数字)が共通な式です。
たとえば前述の\((x+y+1)(x+y+3)\)では
符号と文字が共通している2つの組み合わせは
\(x\) と\(+y\) となり\(x+y\)が共通の式になり文字のおきかえができる。
しかし\((x-y+7)(x+y-7)\)では符号、文字が共通しているものは\(x\) だけで
2つの共通している組み合わせになっていない。
これもおきかえて計算できる。
この計算が簡単にできるようにするためにはおきかえ計算の時に習慣化しておきたいことがある。
+-の符号と文字(数字)が共通のものを丸で囲む。
それが2つあった場合その2つをAでおきかえる。
これを習慣化する。
たとえば\((x+y+1)(x+y+3)\)では
\(x\) と\(+y\) を丸で囲む。
丸で囲んだ2つをAとおく。
\(x+y=A\)
よって\(=(A+1)(A+3)\)となる。
\((a+b-5)(a-b-5)\)の場合
\(a\) と\(-5\) を丸で囲む。
丸で囲んだ2つをAとおく。
\(a-5=A\)
よって\(=(A+b)(A-b)\)となる。
間違えやすい計算問題とした前述の
\((x-y+7)(x+y-7)\)の場合
丸で囲んだ文字は\(x\)の1組しかない。
2組ないのでAとおけない。
このときは丸で囲めない残りの2組の文字(数字)を見比べてみる。
\(-y\) と\(+y\)、\(+7\) と\(-7\)
この2組は符号が違って文字(数字)が同じ2組である。
このような場合(それらの下に下線を引いておく)
マイナスの符号でくくると符号と文字(数字)が同じ2組となる。
そのようにして2組を丸で囲めるようにしてAでおきかえて計算をする。
このマイナスでくくって共通の式にする場合は2つの解法がある。
\((x-y+7)(x+y-7)\)
①マイナスの符号がある2つの式をマイナスでくくる方法
\((x-y+7)(x+y-7)\)
\(=[x\)\(-(y-7)\)\(][x+(y-7)]\)
\(y-7=A\)とおくと
\(=(x-A)(x+A)\)
\(=x^{2}-A^{2}\)
\(=x^{2}-(y-7)^{2}\)
\(=x^{2}-(y^{2}-14y+49)\)
\(=x^{2}-y^{2}+14y-49\)
②( )全体をマイナスでくくる方法
\((x-y+7)(x+y-7)\)
=\(-(-x+y-7)\)\((x+y-7)\)
\(y-7=A\)とおくと
\(=-(-x+A)(x+A)\)
\(=(x-A)(x+A)\)
\(=x^{2}-A^{2}\)
\(=x^{2}-(y-7)^{2}\)
\(=x^{2}-(y^{2}-14y+49)\)
\(=x^{2}-y^{2}+14y-49\)
どちらの方法でも解くことができる。
自分が分かりやすい解法で計算すればよい。


